東京優駿・予想

『ダービー馬のオーナーになることは、一国の宰相になるよりも難しい』
ダービーにまつわる名言・格言は数あれど、元イギリスの首相チャーチルの名言として有名な言葉であり、ダービーシーズンになると必ずこのフレーズが出てきますが、イギリス人は全く知らないそうです。だから何だと言われるのは百も承知なのですが、世界各国で開催されるほどのビッグレースも日本では記念すべき第88回の開催となります。
この記念すべきダービーが、天気に恵まれ限定的ながら有観客で開催出来るので好レースを期待すると共に全馬無事に走り終える事も願っています。

早速ダービー予想へと参ります。
土曜のレースはCコース替わりとなり、時計も出てはいたものの例年に比べて絶対的な先行有利の馬場では無い印象があって、後方からでも十分に届く外差しレースが目立っていました。このトラックバイアスが明日も続くのか、という点については明日のレースを注視した方がいいでしょう。

展開は、前走が不発に終わった大外枠のバスラットレオンがハナ宣言したことからその他の逃げ候補は控えることを示唆しているように、バスラットレオンがペースをつくることは間違い無いでしょう。これまでのバスラットレオンの逃げたペースとしては、序盤から流れるペースでは無く前後半でバランスを取るようなペースで、ましてや距離が一気に延長となる今回はポジションを取るまでは出していく必要がある枠ですが、ハナを取り切ってしまえばゆったりとした流れになると思っています。
カギとなるのは、その後ろに控えるタイトルホルダーがどの辺りから突くのか、という事です。
4走前には瞬発力勝負で分が悪くなることは明確となりましたし、前々走ではラスト5Fから分散するようなラップであったり、前走でラスト5F最速ラップの消耗戦に持ち込んで後続に脚を使わせるような形が嵌っている以上、今年のダービーは例年の上り勝負にはならないという事も考えています。勿論田辺ジョッキーがこの大一番でそれをやってのける腹が座っているかどうかは、明日のレース次第にはなるものの例年同様の上り勝負以外の展開も想定しながら、馬場、展開と今年は一味違うダービーとなる事も考慮しての予想となります。

本命は①エフフォーリア

3走前、2走前には非凡な瞬発力は見せていて2走前の勝利の時にはダービーの最有力候補と評価していたものの、前走の皐月賞では3着までに来た馬は内側を通した結果とは言え、懸念していた機動力と道中自由度の限られる中1冠達成という内容でした。
過去、皐月賞で3馬身差をつけて勝利を挙げたナリタブライアン、オルフェーヴルは後の3冠馬となっていますし、この馬にも歴代の名馬に並ぶだけの能力があると信じていて、先行力を持ち合わせた総合力では抜けていると思います。
G1経験と実績で不安視される武史ジョッキーもプレッシャーに打ち勝ち皐月賞を勝ちましたし、祖父、父、母父の無念もこの馬であれば拭い去ってくれると信じての本命とします。

対抗は⑩シャフリヤール

前走は一貫したスピード勝負で勝利、2走前はスローの瞬発力勝負で見劣る内容と結果という事から、例年同様の展開であれば危ういとは思いながらも、タイトルホルダーが後半のペースを握るようであればチャンスはあると見ています。
この馬自身の実戦経験、これまで経験している距離、全兄がアルアインという血統背景からこの距離での不安はありますが、馬場読みに長けダービージョッキーとなった鞍上は心強い存在となります。
前走毎日杯組からの好走はありませんが、毎日杯を好時計で勝ったG1馬達に引けは取らないだけのチカラがあると評価しています。

3番手は⑮アドマイヤハダル

皐月賞組でエフフォーリアを逆転出来るだけの存在となると非常に厳しいとは思いますが、その前走にしてもこの馬には不向きの馬場、4角では外を回して結果内側を通した馬に屈したものの健闘したと言えるでしょう。
今回良馬場となれば前走の上位馬には巻き返す余地はあるはずですし、これまでのレースを見る限りレースセンスは非凡なモノがあって持続力勝負にも結果を残していることから、前走の人気が鞍上人気で無かったことを証明するチャンスとなるはずです。
しかし最終追いで予定には無かったであろう2本となったこと、追い切り後に前走より減らした馬体重も輸送を考えればマイナスとなる事からこの評価としました。

という事で予想は

◎ ①
〇 ⑩
▲ ⑮
△ ④、⑪、⑫、⑬、⑭

このような予想となりました。

今日の馬場を見ると、決め手のある後方勢にも十分チャンスはあるとは思いますが、やはり世代最高峰のレースですし世代ナンバーワンを決めるレースなので、ある程度の位置を取って勝ってきたメンバーは評価する必要があるとの考えとなりました。人気のサトノレイナスはこれまでが一貫してマイルのみ、牡馬相手の勝負をしていない、ポジショニング、このレースを本気で目指していたのであれば何処かで中距離のレースを選択していたはず、という事から思い切って消しました。

今週は東京優駿・考察として、これまでと違う形で掲載してきましたが、この予想を含め最後までご覧いただいた方の参考となり結果に繋がればこれほどの喜びはありません。

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