有馬記念・考察2

考察1で有馬記念でのラップについて後日と書き込みましたので、考察第2弾としてこれからは有馬記念がどういったレースとなるのかをラップと共に見ていきましょう。

*ラップとはレースの200M毎にハロンという標識を通過したタイムでこのラップを基に予想をする方もいるほど競馬を予想するうえで大切な要素となります。

有馬記念は2500Mなのでテンの100Mを除いた前半4F、中盤4F、後半4Fと上りの過去10年を考察していきます。

2019年【勝ち時計2:30.5】【上り4F 49.9 – 3F 37.6
前半45.4 中盤48.3 後半49.9
2018年【勝ち時計2:32.2】【上り4F 48.7 – 3F 36.9
前半47.5 中盤49.2 後半48.7
2017年【勝ち時計2:33.6】【上り4F 47.3 – 3F 35.2
前半48.0 中盤51.5 後半47.3 
2016年【勝ち時計2:32.6】【上り4F 47.6 – 3F 35.9
前半47.3 中盤50.9 後半47.6
2015年【勝ち時計2:33.0】【上り4F 46.9 – 3F 35.0
前半49.1 中盤50.0 後半46.9
2014年【勝ち時計2:35.3】【上り4F 47.0 – 3F 34.6
前半49.2 中盤52.1 後半47.0
2013年【勝ち時計2:32.3】【上り4F 49.0 – 3F 36.7
前半47.4 中盤49.0 後半49.0
2012年【勝ち時計2:31.9】【上り4F 48.1 – 3F 36.0
前半47.1 中盤49.7 後半48.1
2011年【勝ち時計2:36.0】【上り4F 45.9 – 3F 34.0
前半49.6 中盤53.7 後半45.9
2010年【勝ち時計2:32.6】【上り4F 46.6 – 3F 34.6
前半48.4 中盤50.7 後半46.6
*4F(800M)毎のラップを赤字>緑字>青字の順で速さを表示しています

馬場差やトラックバイアスの差はありますが、過去10年で前半が最も早かった年が5回、後半が5回と、その年の逃げ馬のタイプで前半と後半はタイム差はあるものの概ね中盤が最もペースが緩んでいることが分かります。
例外として
2019年は引退レースのアエロリットが大逃げを打ったことで前半>中盤>後半と消耗レース
2013年はオルフェーヴル、ゴールドシップという捲りを得意とする上位人気馬のいたレース
なので比較対象とするには特殊だとは思います。

次に中盤と後半のラップ差が大きければ大きいほど(最も大きい年で11年の7.8秒差)中盤が緩んだと言えて、脚を溜めることができ後半のスピードへと変換できます。こうなると後続は楽に先団に取り付くことが出来て、また馬群も一団となり易くなります。そして瞬発力が問われるようなレースとなります。勿論中団より後方に位置していて瞬発力に長けたような馬でも勝負になると思われますが、馬群が一塊になれば中団より後方から勝負に行くとなると一塊の分だけより外を回らずを得なくなり、またこの有馬記念というレースが国内最高峰でココに出走してくる先行馬は簡単にはバテず、瞬発力勝負にも対応できるような馬ばかりとなり、先行馬がポジショニング差やコース取りなどからより有利となります

逆にラップ差が小さくなれば(19年は中盤が速い、13年はフラット、18年は0.5秒差)中盤の緩みがなくなり脚を溜めることが出来なくなると同時に、スタミナを問われるレースとなって先行馬は追走に脚を使いバテ易くなって直線では踏ん張ることが出来なくなります中団より後方勢はというと、馬群は縦長となり易い為前を捉えに行くときにコーナーでのロスは少なくなり追走でバテた先行勢に取り付きやすくなるので、より中団より後方勢が有利となります。

ココからは勝負所でのペーストと上りについて見ていきます。


2019年
12.1 – 11.7 – 12.3 – 13.4 – 12.2 – 12.0【0.4】
2018年

12.2 – 11.6 – 11.8 – 11.8 – 12.2 – 12.9【0.6】
2017年

12.8 – 12.2 – 12.1 – 11.7 – 11.2 – 12.3【0.6】
2016年

12.9 – 11.8 – 11.7 – 12.1 – 11.7 – 12.1【1.1】
2015年

12.6 – 12.0 – 11.9 – 11.5 – 11.3 – 12.2【0.6】
2014年

13.0 – 12.3 – 12.4 – 11.5 – 11.2 – 11.9【0.7】
2013年

12.0 – 11.8 – 12.3 – 12.6 – 11.8 – 12.3【0.2】
2012年

12.5 – 11.9 – 12.1 – 12.1 – 11.9 – 12.0【0.6】
2011年

13.0 – 12.0 – 11.9 – 11.4 – 11.3 – 11.3【1.0】
2010年

12.3 – 11.5 – 12.0 – 11.7 – 11.1 – 11.8【0.8】

上は過去10年の有馬記念でのラスト6F(1200M)のラップとなります。
*右の【】は前の1Fとのラップ差となります

上で述べたように
2019年、13年は特殊なことがより分かるでしょう。

ラスト2F地点最速が多いのですが、注目したいのはラストの5F(1000M)で0.6秒速くなっていて年によっては1秒以上速くなっています。


2019年最速地点
2018年最速地点
2017年ラスト4F2段階加速
2016年ラスト4F最速地点
2013年ラスト2F再加速
2012年最速地点
2011年加速ラップ
2010年分散ラップ

このようにラスト5F地点からペースが引きあがり、年によっては最速であったりラスト4F地点が最速、分散されるようにこの有馬記念というレースが、上の上り3Fを見ても33秒台のキレ味よりも34秒の年もありますが、ほとんどが34秒後半から35秒台より遅くどちらかというと瞬発力<持続力が必要なことがお分かりだと思います。
という事は、例年通りであればこれまで瞬発力勝負で分の悪く能力を発揮できなかった馬やスタミナ寄りの馬、持続力勝負で実績を挙げてきた馬を評価すべきであることも同時にお分かりいただけると思います。

 

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