週中に突然発表されたグランアレグリアの引退...
ノーザン系の牝馬は繁殖の為、現役は5歳までというクラブ規定があるので、天皇賞・秋後にこのレースの出走が発表されてからは、おそらくとは考えていました。それでも古馬マイルG1完全制覇という大偉業を達成し、これまで歴代のマイラーに比べても戦績や強さは1、2を争うレベルと感じていたのでこの日が来るべくして来たか、としんみりとしてしまいました。
マイルG1、スプリントG1を制覇し3階級制覇は残念ながら達成できませんでしたが、現役で走ることだけがサラブレッドの使命では無いので、数年後には自身の成績を超える素晴らしい子供をたくさん産んでくれることにも期待します。
近年では、G1をいくつも勝つ実績を残したような名馬は出走発表と同時に引退発表もされることが通例となっていたので、天皇賞・秋を勝ってから香港をラストランと描いていた陣営からは、予定されたプランと違ったカタチになった事は想像できますが、これだけの実績を積み重ねた名牝なので、最後まで無事にゴール出来ることを願いつつ、マイルチャンピオンシップ予想へと参ります。
先ず一番に気を付けなければならないことは、今年は去年に引き続き阪神競馬場での開催ということであり、尚且つ去年は開幕3週目でしたが今年は7週目となっていることにはご注意して下さい。
土曜の馬場を見ると、芝の状態は7週目ということもあってかなり使い込まれていることが見て取れた半面、好天続きだったこともあってか、馬場が踏み固められたようで時計面では先週よりも遅くなっている印象はありませんでした。
しかし、トラックバイアスは完全に外差しへシフトしていて、直線では荒れた内側を通すのであればかなりパワーを要し適性面が浮き彫りとなることでしょう。外から差すにしても、スピードだけで押し切れるような馬場では無いような感じにも思えるので、ある程度のパワーも持ち合わせているか中距離でも走れるようなスタミナも問われる、そんなイメージのレースを想定しています。
展開は、最内枠を引いたホウオウアマゾンがハナを切るでしょう。
これまでのレースで先行していた、ロータスランドやスプリント戦で逃げるだけのスピードを持つサウンドカナロアが今回は控える競馬を示唆しているので、ブラフの可能性はあるもののホウオウアマゾンがレースをつくることになるはずです。
ルメールJのコメントから、グランアレグリアは3、4番手での競馬が理想とは言っていましたが、今回と同じ間隔の安田記念での行きっぷりを見ると中団くらい、その前にサリオスやインディチャンプが入っていくことになると思われます。
逃げるホウオウアマゾンも思い切りのいい坂井Jなので、大逃げは無いことも無いくらいの考えは持ちつつ平均ペースくらいの流れになると考えています。
道中も淡々としたペースから去年のような上り勝負にもならないでしょうから、最後は持続力とパワー、マイル戦ながらもスタミナを持つようなタイプのタフな総合力勝負を想定しています。
これらを踏まえて
本命は③シュネルマイスター
前走が、過去2年の勝ってこのレースで共に5着の3歳馬と違い56キロの斤量を背負いつつ、1800Mスペシャリストのダノンキングリーを差し切った点を評価していると同時に、春の時点で古馬とも互角に戦えただけの能力の高さを評価しました。
血統面では、父は世界的なマイラーでダンチヒ系、母父サドラーズウェルズ系でドイツの牝系も持っているので、これでよく東京の高速馬場に対応できるなと思いつつも、今の阪神の馬場だと更にパフォーマンスを上げてくる可能性もあります。
この枠なので上手く外に出せるのか、テンから速い方では無いので鞍上が無理にリカバリーをする不安を持ちつつこれまでのレースを見る限り、ギアチェンジ力よりも持続力に秀でていて中距離実績もあるので、メンバーの揃った古馬を一蹴するだけのチカラはあると見て本命とします。
対抗は⑫グランアレグリア
これまでのマイル実績から大きく崩れることは無いはずですが、やはり当初から決まっていたローテでは無いことや同じ間隔の2走前を見ると、どうしてもパフォーマンスを落とす可能性の方が高いと思ってしまいます。
2走前に比べても距離、馬場と疲労度で言えば遥かに今回の方が残っているはずですが、去年よりも包まれる可能性の低い枠なので脚を余すことは無いはずですし、これまでのマイル戦績からも不安を杞憂に終わらせるだけの走りをしているので、これ以上評価は下げることは出来ませんでした。
近年の強い牝馬のラストランの流れからも、無様な姿は見たくありませんしその可能性も低いので、名牝に相応しいラストランにも期待しています。
3番手は⑪カテドラル
今のG1常連のメンバーは上位と下位がハッキリと分類されていますが、去年のような高速馬場だと常連組だけで決まりそうでしたが、今のタフな馬場であれば常連組に食い込む可能性を秘めている1頭だと見ています。
3歳時の初戦以降マイル戦や短いトコロばかりを使われていましたが、2走前はスローの中距離戦を上り2位で好走していましたし、追走に苦労する高速馬場でのマイル戦よりも、タフな馬場でスピード一辺倒とはなりにくい今回は嵌る可能性を持っているはずです。
今の外差し馬場もこの馬にはマッチしますが、先週改めて関西圏でのこのジョッキーは過剰評価すべきではないことを再認識させられまし、上の2頭をまとめて逆転となるとハードルはかなり高いとは思っています。
その他では
④サリオス
去年のこのレースはポジショニングが全てでしたし、脚を余して勿体ないレースでした。
春の2戦は期待していた身としては到底納得できない結果で、ワンアンドオンリーやタイムフライヤーのような早枯れのハーツクライ産駒とは見ていました。
それでも、春は極悪馬場での大阪杯のダメージが残っていたようですし、姉がサラキアだということや高速マイル戦ではないことを考慮すれば、もう少し検討の余地は残してもとは思っています。
という事で予想は
◎ ③
〇 ⑫
▲ ⑪
☆ ④
△ ⑤、⑦、⑨、⑩
このような予想となりました。
何故なのか自分でも不思議でしょうがないのですが、このレースに限っては常に隔年で的中するという不思議な現象が数年続いていて、去年のこのレースは的中したので今年は残念な順番ではあります。
それでも冒頭に述べたように、過去のレースとは違ったレースとなる可能性は高いという事を前向きに捉えて、今年は過去のレースとは違うマイルCSと信じ込んで的中することを願います。