東京優駿・考察①

今週はいよいよ競馬の祭典、東京優駿・日本ダービーが行われます。
サラブレッドが生涯に1度しか出走することを許されないダービーは、馬場や距離は違えど世界各国で行われていて、近年の日本では種牡馬選定の側面も持っています。
『全てのホースマンが夢を描き憧れる』と言われるダービーを、幾つかの視点から考察していきます。

これは過去10年のダービー(東京2400M)を前半6F(1Fは200M)、後半6Fでのタイムと前後半差を表したモノです。
*前後半差の+は前傾戦、-は後傾戦となります

馬場差などから一概には言えませんが、近年のダービーの特徴としては、勝ち時計が速く前後半差で見てみると、前半はゆったりと入り後半が一気に速くなっていることが分かります。2012年と19年こそゼロス、リオンリオンが玉砕覚悟の大逃げを打った形で前半の方が速くなっていますが、その2年を除けば2012年から15年までは
2014年1.2秒の前傾戦
2011年0.1秒の後傾戦
前後半差のタイムがイーブンに近い形に対し
2016年以降では
2016年1.8秒の後傾戦
2017年4.5秒の後傾戦
と、2016年を境に2秒近くもしくはそれ以上に後半が速くなっています。
勝ち時計を見ても、直近3年の内2年で2.22秒台に突入していることからも、スピード競馬への対応前半にシッカリと折り合って脚を溜め後半を速く走る能力が問われるレースとなっています。

次に見ていただくのは前半、中盤、後半を4Fずつに分けて、それぞれのタイムを表したモノです。
*赤字はそのレースでの4F毎の区間において、最も遅いタイムとなります

こちらを見ていただくと、過去10年中8年で中盤が最も緩んでいることが分かります。
2012年は、先ほど述べたように逃げた馬の大逃げであり、2020年は、1角で17番手だったマイラプソディが向こう正面で先頭に立ったことから、前半が最も緩んでいました。
そして、後半の4Fが最も速くなっている年が、10年中8年ということからも中盤で緩んで、後半が速くなる、というのがダービーの傾向となっています。
さらに付け加えると、後半が速くなるとはいえラスト3Fの明確な瞬発力勝負というのは、過去10年で4回ありますが、これは2016年までが3回と2017年、その他の年ではラスト4Fから5Fのロンスパ戦となっています。特に18年以降にその傾向は強く出ていて、2021年には後半の持続力要素がかなり強く問われていたレースだったということからも、近年はジョッキーも仕掛けの意識がこれまでよりも早くなっているようなので、純粋な瞬発力よりも持続性能も大事な要素となっているようです。

タイトルとURLをコピーしました