第90回と節目となった先週のダービーでは、落馬やゴール板を通過直後に痛ましい事故が起き、全馬が無事に走り終える事の大切さを痛感したレースでした。極めつけは、勝ちタイムが遅すぎたことでした。逃げ馬のペースそのものは特別に速すぎるペースでも無く、向こう正面からはペースが上がったと思いきや、実質2番手以降が極端にペースダウンとなり、その影響もあって勝ちタイムが遅くなり、大凡戦という内容に。
クラシック戦前には大混戦と言われていましたし、世代レベルも決して高いとは言えないモノでしたが、世代ナンバーワンを決める大一番で、平場のようなレース質になったことで、世紀の大凡戦と言っても過言では無いダービーとなり、結果も結果だっただけにガッカリしました。落馬やレース後の事故は仕方が無いとしても、内容そのものは人災レベルと言っていいでしょう。
大一番と位置づけたダービーが、呆れるほどの内容だったので、愚痴が多くなりましたが、G1馬が10頭と揃いも揃った今週の安田記念こそ、好勝負を期待します。
土曜は、金曜からの大雨の影響もあり、不良馬場からのスタートでした。メインレースには重馬場まで回復しましたし、時計も極端に時計が掛かるイメージはありませんでした。日曜には、良馬場まで回復すると思いますが、どこまで回復してくるのか見極めは必要となるでしょう。
トラックバイアスは、やはり内から5頭分くらい空けて走っていたことから、外の方が伸びる馬場となる可能性は高いと見ています。
展開は逃げ候補に、内からメイケイエールやジャックドール、大外のウインカーネリアンとなりそうです。ただ、これまでスプリント戦でも我慢させる競馬をしていたメイケイエール陣営から、行かせても良いとのコメントが出ていますし、ジャックドール陣営も腹を括ってとコメントしているので、どちらかになると思っています。
ペースとしては、メイケイエールが行けばそこそこ流れるとは思いますが、2番手以降がついていかなければ、実質底まで速いペースにはならないと考えています。中盤も去年ほど緩むとは考えにくく、1Fで息を入れられる程度と思います。ラストは、直線も長いので持続力は必要ですし、差し馬勢は速い上がりも求められるレースとなるはずです。
これらを踏まえて
本命は⑱ソングライン
前走は内枠と道悪がどうかと思いましたが、ポジションを取りつつ道悪馬場にも対応し、やはりこの舞台での適性の高さを見せてくれました。
3歳時から左回りのマイルという条件では、道中に躓いてジョッキーも下手に乗ったと認めている5走前のみ崩れましたが、G1でも2勝して2着1回と信頼できる存在です。
去年も同様のローテで勝ちましたが、グランアレグリアやアーモンドアイといった名牝クラスでもヴィクトリアマイルとの連勝は叶わなかったように、スケールの落ちるこの馬で連勝は厳しい条件となるものの、多少のロスでも出し切るレースは出来る枠なので、ジョッキーの仕掛け遅れさえなければ好勝負は出来ると見ています。
対抗は⑤ソダシ
この馬もマイルという条件では、古馬相手の2走前やダートでも好走しているように、条件としては崩れるイメージは持ちにくいです。
前走でも、乗り手を選ぶタイプで無いことは分かりましたし、前に付けて粘り込ませる騎乗には無類の腕前を持つ川田Jとも手は合うはずですなので、問題は無いはずです。
ただ、今春は2戦という当初の予定から、このローテを選んだ陣営も自身はあるとは思いますが、これまで経験の無い、中2週で再度の東京輸送と負担を考慮してこの評価としました。それでも、これまで二人三脚で歩んできた、今浪厩務員とのラストランを勝利で飾って欲しいとも思っています。
3番手は⑦ガイアフォース
前走が3歳時からこの路線で上位争いし、引っ張ってきた存在のシュネルマイスターと、初のマイルで差の無い競馬が出来たことから、この距離の適性を見せてくれました。
4走前のレース内容から、能力としては十分にG1でも通用するとは思っていましたし、何より馬群で揉まれる競馬でも好走できたことは、収穫があったと思います。
父がキタサンブラック、母父クロフネという血統面から舞台適正はあると思いますが、人馬共にG1での経験値不足が露呈する可能性を考慮すると、一発と不発が表裏一体という感じもしています。
ということで予想は
◎ ⑱
〇 ⑤
▲ ⑦
△ ③、④、⑩、⑫、⑭
このような予想となりました
今週こそは、全馬が無事に走り終えることが最優先として願うことであり、そのうえで結果もついてきてくれれば申し分ないと思います。
今年は、3世代のマイルチャンピオンの出走やスプリントG1馬にダートG1馬も出走と、近年稀にみるメンバーが揃って、文字通りのマイル王者もしくは女王決定戦となったので、見るだけでも十分に楽しめるレースだと思います。