上半期のグランプリとなる宝塚記念は、今年は阪神競馬場のスタンドリフレッシュ工事のため、京都競馬場での開催となります。
例年の阪神内回りコースでの2200Mと、京都外回りコースでの2200Mではコースもさることながら、コース形態の違いや後半の仕掛け位置など異なる点があるので、ココではどういった点が異なるのかを『考察』と題してみていきます。
阪神内回りコースでは、外回りコースの4コーナー出口付近からスタートします。最初のコーナーとなる1コーナーまでは、ゴール前の急坂こそあるものの約525Mと直線部分が長く、外枠の先行馬も位置を取りに来ることから、序盤からペースが上がりやすい傾向があります。1~2コーナー(4~5F目)はコーナー径がきつくなるため、ココでペースは一旦落ち着いて先行馬は息を入れることになります。
3~4コーナーからは下りとなる、直線が約359Mと短い内回りとなる、各ジョッキーの仕掛けの意識も強くなる、これらのことからも後半5F前後のロンスパ戦となりやすい傾向のコースとなります。
また、ゴール前の急坂を2度迎える小回りコースでのロンスパ戦となることによって、レースの上がりも掛かってきます。
直近5年の宝塚記念をみても、多頭数で強烈な逃げ馬がいた年はハイペースとなるので、前半からペースは速く、中盤も極端な緩みが無く、後半の動き出しも速くなるために、持続力やスタミナ、コーナーでの機動力やパワーといったタフさが問われていました。
京都外回りコースでは、正面スタンド前の直線入り口付近からスタートします。最初のコーナーとなる1コーナーまでの距離は約400Mとなり、スタートから向こう正面の途中にかけては平坦となります。スタートから最初のコーナーにかけては十分な距離があるのでペースは上がりやすいものの、1~2コーナーの系は小さいので、ココでペースは落ち着きやすい傾向にあります。2コーナーを過ぎると、向こう正面は約500Mとなりますが、200M程で3コーナーまでの坂の上りを向かえるために極端にペースは上がらず、坂の下りとなる後半4F目からペースアップするコースとなります。
坂を下りきった地点からゴールにかけてはほぼ平坦となり、4コーナーを回って直線は400Mとなるので、ラスト4Fのロンスパ戦となりますが、直線も短くはなく平坦でありラスト1Fも極端にラップが落ちないため、直線でのスピードと瞬発力を活かせるコースとなっています。
ただ、今回は前哨戦や叩き台となる重賞では無くG1となるために、後半の動き出しとなるペースアップが上りが緩やかになるラスト5F目地点からとなる可能性は考えておいた方が良いとは思っています。
これらのことからも
阪神内回りコースでは
2度の坂越えと直線が短いコースということもあり、持続力とスタミナ、機動力やパワーが必要で上がりも掛かるレース
京都外回りコースでは
3コーナー部分での坂越え1度ということで、ロンスパ戦となるものの直線も十分な距離がある平坦なコースなので、スピードと瞬発力を要しラスト1Fも極端にラップが落ちないレース
と、違いはあるので例年の傾向とは違う宝塚記念となるでしょう。
*現時点では週末の天気も怪しいので、天気が崩れて馬場が悪化すればタフさも問われることは付け加えておきます