秋華賞・考察1

牝馬クラシック3冠目となる秋華賞は、例年であれば京都内回り2000Mでの開催ですが、今年は阪神内回り2000Mでの開催となります。例年とは異なる部分や、過去のレースでの傾向をいくつかの視点から『考察』していきます。

舞台となる阪神内回り2000Mのコースは、スタート後すぐに急坂を迎え、1角までは325Mと短く1コーナーから2コーナーにかけては径がきついことから、前半のペースは落ち着きやすくなります。3コーナーから4コーナーにかけては逆に径が緩くなり、ラスト800Mからは下り坂が続くことからペースが上がりやすくなると同時に連続して速いラップを踏む傾向にあります。
ゴール前には2度目の急坂を迎えることから、2000Mという距離ながらもタフな舞台設定となります。また、コーナーが4つのコースということで、立ち回りやコーナーでの加速も要求されるコースとなっています。
3歳牝馬にとって、2度の急坂越えのコースというのは2000Mという距離以上に過酷な舞台となる為、例年の直線が平坦な京都開催に比べスタミナ的な要素も問われるレースとなる可能性はあるかもしれません。

次に見ていただくのは、今年行われた同コースでの古馬2勝クラス以上のレースでの左から
レース/馬場
前半5F(1000M)のタイム
後半5F(1000M)のタイム
前後半差
後半5F(1000M)での1F毎のラップ
(12秒を切ったラップは赤字、最速地点を赤太字で表示)
をまとめてみました
9レースが行われていて良馬場開催が5レース、稍重開催が3レース、重馬場開催が1レースとなっているので、馬場差やクラス、出走頭数の違いから再現性としては難しい部分はあるものの、阪神内回り2000Mがどのようなレースの流れになるのか、はイメージ出来ると思います。

今年行われた阪神内回り2000M9レース中7レースは前後半差が黒字の後傾戦であったことに対して、赤字で示した前傾戦は2レースであったことからも、やはり前半はペースが落ち着いているレースが多いことが特徴となっています。
前傾戦の2レースを見ても、前傾1秒以上というのはレイパパレが勝利した大阪杯だけであり、もう一つの3勝クラスは1秒以下の前傾戦となっていることからも、前半から突っ込んで入るコースではないことが分かります。
後傾戦となった7レースを見ると、0,3秒から4秒と幅は広くなっているので、秋華賞でのペースに関しては、先行勢の頭数や枠の並び、これまでのペースやラップなどから推測するしかありません。

注目したいのは、京都開催では3コーナー手前から坂を上り、3コーナーを過ぎたラスト800Mからのスパートとなる傾向がありましたが、1度目の坂を超えて3コーナーまではほぼ平坦となる阪神内回りコースでは、仕掛け位置はレースによって異なります

上の表で11秒台となりペースが上がった地点を見ていくと
1番上の4歳上2勝クラスはラスト6Fから12秒を切っていますが
ラスト5Fからは1レース
ラスト4Fからは4レース
ラスト3Fからは2レース
ラスト2Fからは1レース
*大阪杯は重馬場という事を考慮すると、青字で示したラスト5F目と4F目が0,6秒差なので実質ラスト4Fからペースが上がったと言えます
このことからも、ラスト5F~4Fでのロンスパ戦となる可能性は高く持続力が問われるレースになりやすいと言えるでしょう。
補足として、3歳馬の春のクラシックTRは前半ゆったりとしたペースから、ラスト3Fの瞬発力勝負となりやすいのですが、この舞台で行われた若葉Sと忘れな草賞の2レースは、共にラスト4F目から12秒を切っていたことを見ても、ラスト3Fの瞬発力勝負となる可能性は低くなりそうです。

以上の事を踏まえて
これまでのレースで、持続力を活かしたレースをしていたタイプやスタミナを要するレースで結果を残してきた馬を評価していこうと考えています。


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