先週の菊花賞は、春のクラシックで実績を持つアスクビクターモアが、非常にタフなレースを見事に押し切っただけでなく、レコード更新という見事な勝利を収めました。個人的な感想ですが、このレースや去年の天皇賞・春のように、スタミナ比べでの長距離戦というのは、見ていて本当に面白いと感じました。近年は特に長距離においては、前半からハイラップになることは珍しく、せいぜい後半5F辺りからのロンスパ戦となるのに対して、ゴール前はしのぎを削るギリギリのレースとなり、チカラの限りを出し尽くしていて見応えあるモノでした。走っている馬の負担を考えると考える部分はあるものの、このような舞台でのレースがもう少しあっても良いかな、とは感じています。
そんなことを考えている矢先、今年はパンサラッサやバビット、ジャックドールなど強力な先行馬が揃う天皇賞となり、楽しみで仕方ありません。去年の年度代表馬の名が無いのは寂しいのですが、去年のダービー馬や春のクラシックを賑わせた3歳馬が3頭出走と、例年とは違うカタチでの天皇賞となりそうです。
G1実績を持つ古馬ですら伏兵扱いとなっている、歴史と伝統の1戦を的中できるように、シッカリ予想していきます。
土曜のレースは、Bコース替わり1週目ということもあって高速馬場でした。
好時計も出ていて、ペースの差はあれど上がりも33秒台だったことから、このレースも前半のペース次第では、1.56秒台も視野に入ってくると思います。
トラックバイアスは、先行馬も粘れて差し馬も届くという、フラットな馬場と見て良いでしょう。
展開は、普通に考えたらパンサラッサがこれまで同様、前半から飛ばしていくペースとなるのですが、近走はスタートがイマイチですし、メンコを外すタイミングが功を奏するとも限りません。パンサラッサが出遅れた場合は、バビットが逃げて前半はスローを想定しているものの、やはり可能性としてはパンサラッサが逃げる方に考えておいていいと思っています。
そうなれば、近年のように前半はスローで後半の5F勝負というよりも、上がりも掛かってくるでしょうし、締まった流れの中でも、後半の持続性能を発揮できるタイプを重視していこうと考えています。それでも、3歳馬に関してはキャリアも少なく、夏場の休養期間に成長していることも考えられるので、これまでのレースよりもペース対応してくる可能性は考慮しながらになっていきます。
これらを踏まえて
本命は⑦イクイノックス
今年の3歳世代はハイレベルと見ていて、2戦目から2段階の加速が必要となったロンスパ戦をあっさり勝利して、キャリア3・4戦で春のクラシックを連続2着と、能力の高さは世代上位です。
ダービーも前半から流れて先行勢には苦しい展開とはいえ、持続力とパフォーマンスは古馬相手にも十分通用するはずですし、この馬最大の武器が発揮できるこの条件は勝ち負けを期待しています。
ただし、前走のように後方に構えすぎてしまうと届かない可能性もあり、前半部分の追走面でも担保できるようなレースはありませんが、このレースを3連覇しているジョッキーなので、不安が杞憂に終わるとも思っています。
対抗は⑧シャフリヤール
この馬の場合、毎日杯で前半から流れる展開で勝利し、ダービーでも強烈なロンスパ戦をエフフォーリア相手に下すなど、ペース対応力は申し分ありません。
2400ⅯのG1を2勝していているものの、全兄がアルアインなのでこの距離でもパフォーマンスを落とすとも思えず、血統からもスピード競馬も問題無いと見ています。
しかし、何故か勝てないディープインパクト産駒、帰国初戦、目標がJCの可能性もあるということでこの評価としましたが、チカラを発揮できれば十分に勝つチャンスもあるはずです。
3番手⑨ジャックドール
これまでのレースを見る限り、この馬が最大に能力を出せる条件のレースであるのは言うまでもなく、前走でもパンサラッサが作るペースにも、控えて対応出来たことは収穫でした。
前に行く馬を見ながら、実質ペースを支配できそうなレースとなりそうですし、後半のロンスパ戦では大きく崩れるイメージは持てませんでした。
しかし、これまでのゴール前の1Fの落とし方から、崩れはしないものの最後に差される可能性も大きく、この馬の持続性能で押し切れるようなメンバーでも無いと思い、この評価までとしました。
注目の3歳馬
⑤ダノンベルーガに関しては、ダービーでのパフォーマンスが状態面だけで片付けられますが、どちらかと言うと瞬発力勝負に適しているように感じたので、押さえまで。
⑥ジオグリフは、後半の持続力は新馬戦ですでに非凡なモノを見せてくれましたが、ダービーが距離が敗因ながらも、追走面での不安が大きくこの馬も押さえまでとしました。
ということで予想は
◎ ⑦
〇 ⑧
▲ ⑨
△ ①、③、④、⑤、⑥
このような予想となりました。
人気上位馬が中ほどの枠で固まりましたし、各馬がチカラを発揮できるような並びとなったので、ハイレベルな世代間でのハイレベルなレースが見られるでしょう。
また、先週は予想こそ悪くなかったものの、買い方が間違っていたので的中することができなかったので、今週こそはの思いは強くあるので、配当的にはあまり期待は出来ないとは思いつつ、流れはシッカリと持続させたいと思います。