~天覧競馬~
今年の天皇賞・秋は、11年ぶりに天皇陛下が行幸されての天皇賞ということで、歴史と伝統も同時に味わえるレースとなります。また、令和としては初で、天皇陛下が御覧になられるのは、皇太子時代の2007年と14年のダービーに続き、9年ぶり3度目となります。
特に今年は、ダービー以来の直接対決や春の大阪杯・春天・宝塚記念の勝ち馬が、会するということで話題性も抜群ですし、週中のスターズオンアースの回避は残念ですが、この路線でのトップオブトップを決めるに相応しいメンバーとなりました。
11頭と頭数こそ落ち着いたものの、先週に引き続き的中を目指して予想していきます。
土曜の東京は、天気にも恵まれBコース替わりということもあり、時計の出る高速馬場でした。日曜も天気は良いので、時計勝負とかなりハイレベルな勝負となりそうです。
トラックバイアスはBコース替わりの1週目らしく、全てのレースで4コーナー3番手以内の馬が好走していましたが、外からでも脚を伸ばせるフェアな馬場という印象でした。また、スタート後およそ100Mで最初のコーナーとなることから、内有利で外が不利ということもこの頭数なので気にせず、全馬がチカラを出し切れる条件ではあると思っています。
展開としては、逃げるのはジャックドールが行くしかないはずです。最内枠のノースブリッジもそれらしきコメントをしていましたが、出脚の速さと去年のこのレースでの批判的な意見を搔き消す為にも、ジャックドールがペースメイクするはずです。
あとは、ジョッキーがどこまで腹を括れているかで、ペースは変わってくるとは思います。しかし、逃げても消極的なラップであれば去年と同様となることは分かりきっています。そうなると、道中も緩めることはしないはずなので、この馬が大阪杯やこれまでの重賞で勝ってきたような、後続の脚を削ぐカタチでの平均ペースで、自身も直線で脚を残せるペースになってくると想定しています。
このメンバーでもあるので、道中の追走力はもちろんのこと、直線での瞬発力とゴールまでの持続力も問われるハイレベルなレースを想定しています。
これらを踏まえて
本命は⑦イクイノックス
去年はパンサラッサのつくったペースを、ただ1頭だけ次元の違う脚で差しての勝利でしたし、その後の戦績やパフォーマンス、世界ランクからもココは勝ち負けするはずです。
前走こそ2着馬に詰め寄られての辛勝でしたが、初の海外挑戦後や慣れない栗東滞在からのレースに加えて暑さもあり、状態面での不安を抱えても勝ち切ったあたり、この馬の地力を感じました。
取りこぼすとすれば、賞金面から次走のJCがメイチだと勝手に推測しているので、ココを取りに来た馬に足元を掬われるくらいしか見当たりません。
対抗は③ドウデュース
ダービーではイクイノックスに先着し、世代ナンバーワンの座に輝きましたが、その後の海外遠征や主催者側の判断での取り消しなど、順調にキャリアを積めていない点だけが不安となります。
しかし、ダービーではイクイノックスの猛追を凌ぎましたし、単純比較にはならないものの、京都記念での勝ち時計やパフォーマンスはイクイノックスと同レベルであることに疑いはありません。
ただし、鞍上がジャックドールのペースと使える脚を把握していることは、レースメイクするうえでは強みとしてあるので、イクイノックスとこの馬とのポジショニング次第では十分に逆転も可能です。
今年の天皇賞・秋は、直線でイクイノックスとドウデュースの一騎打ちという可能性がかなり高いと思っていて、この2頭を逆転するまでの馬はいないとさえ考えています。おそらくポジションとしては、イクイノックスが前にいてドウデュースがマークする形にはなるとは思いますが、イクイノックスもスタートは安定している訳では無いので、逆の可能性もあるでしょう。
また、持続力ではイクイノックスが上、ギアチェンジ力はドウデュースが上と見ています。
今回はこれまでの予想と違い、3着候補の序列と短いながら見解を付け加えていきます
⑤ガイアフォース
持ち時計はトップで、母父クロフネという血統やこれまでのレースからも高速馬場でこそ、この馬の持ち味が活きると思っていて、春に2戦続けて起用したマイルでの経験も活きてくると思います。
⑩ジャックドール
この舞台での持ち時計はトップでいて、持ち時計もガイアフォースに次ぐもので、この馬のペースでさえ走れれば簡単には止まらないとは思いますが、ジョッキー不安からこの評価としました。
⑨プログノーシス
チカラを付けているのは間違いなく、鞍上のこの舞台での勝負強さも見逃せませんんが、前走と2走前のパフォーマンスから時計の掛かる方が良いタイプとも思いますし、高速馬場適正と時計も縮めてこないといけないことを考えば、この評価となります。
④ダノンベルーガ
ダービーや去年のこのレースから、イクイノックスとの勝負付けは済んでいるとみていて、勝ち切れないキャラや最終追い後の陣営のコメントを額面通りに受け取れば、去年以上は期待できませんでした。
⑥ジャスティンパレス
上がりには限界があるタイプですし、究極のスピード勝負となると分が悪いとは思いつつ、強気な鞍上がポジションを取ってくれば可能性も無くは無いとは思って、消すに消せませんでした。
今年の秋天は、イクイノックスとドウデュースがダービー依頼に相まみえるというだけでも楽しみはつきず、ましてや天覧競馬ともなれば、競馬史に残るような白熱の名勝負も繰り広げられるとも思っているので、観るだけでも楽しめるレースとなるのは間違いないはずです。
配当妙味は全く見込めないものの、このメンバーでのレースがこの時代に観ることができるという喜びに浸りつつ、2週連続での的中を目指したいと思います。